Log-09


【 高尾 】

高尾はもう、そこにいてくれるだけでいい。
私はただのクラスメイトでいい。仲良くなりたいって思わないわけじゃないけど、私は自分を知っている。
私と高尾は、違う。ジャンルが違う。いや、もう種族が違う!
「て、オレ哺乳類じゃないってこと?」
「っ!!」
笑いを噛み殺した声が、頭の上から聞こえた。


【 森山 】

そばにいたい。
ずっとずっと、おはようからおやすみまでなんて言わない。
どんなときも、ずっと。
「…キモ」
そう言ってキミはしかめっ面をするけれど、
「でも嬉しいだろ?」
「…」
知ってるよ。
キミがオレと同じ気持ちだってこと。


【 緑間 】

「わお」
珍しいものを見た。
うたた寝をする緑間くんなんて、きっと高尾くんも見たことないんじゃないだろうか?
(…綺麗だなぁ)
窓から吹き込む春の風に、彼の髪が僅かに揺れる。
「やっぱり好きだなぁ」
思わず漏れた言葉に返事はないけど、それでいい。

(目を開けないのだよ!)


【 緑間 】

「猫になりたい」
「それは、オレが猫を好ましく思っていないと知っての発言か?」
「そうだよ」
オマエはどこか夢見がちな目で、遠くを見る。
「猫になればもっと邪険に扱われるし、もっと高い位置から見ろされるんだよ」
はぁ、と悩ましげな息を吐く。
「猫になりたいなぁ」
「全く理解に苦しむのだよ」


【 小金井/繋 】

コイツも女の子なんだ、てその手を握って思った。
普段はバカばっかり言い合…いや、オレが一方的にバカにされてるけど。
でも、今目の前で顔を真っ赤にしてるコイツは、どっからどう見ても女の子そのもの。
「な、なによ」
「ぅ、あ、いや、うん」
『柔らかい』とか言ったら叩かれる、よなぁ。


13.03.12