「なーなー、どうした? なんかあったのか?」
「……」
うるさい ばか あっちいって
そんな言葉も出ないくらい、ううん、口を開いただけで涙がこぼれそうなくらい、今の私は落ち込んでいる。ヘコんでいる。
なのにこの男ときたら、さっきから「ねーねー」とか「なーなー」とか! 少しは黙っていることが出来ないの?
「んー、何があったのか知らないけどさ。でも、」
私の様子なんか気にもしないで、何がひらめいたのか、目をキラーンとか光らせちゃって、ニッコリ笑って、
「だいじょーぶだ! だいじょーぶ」
そう言って、頭をぽんぽん、て軽く叩く。
「そんだけ落ち込んだらさ、後は上がるだけじゃん? もうそれ以上落ち込む事ないって。もう十分っしょ?」
「な?」なんて、笑いながら私の顔を覗き込まないでよ。
頭を叩かれた衝撃で、堪えていた涙が零れた顔なんて見られたくないのに。
「もう十分落ち込んだんだからさ、笑いなよ」
「……じゃ、じゃあ、胸…貸して」
「おうっ! ドンと来いっ!!」
だいじょうぶ、なんて、無責任なこと言わないでとか思ったけれど、借りた胸は思った以上に心地よくて。
それがちょっとだけ悔しいから、
(涙は全部、コガの服で拭いてやる!)
だから、もうちょっとだけ……このままで。
- end -
12.12.04
【落ち込んでたら】「だいじょーぶだ!だいじょーぶ」根拠はないけど笑って頭ぽんぽんするコガ。@凪子さん
ツイッターでフォローさせていただいている方の呟きが素晴らしすぎたので、了解を得て妄想させていただきました。